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糖尿病について

1:糖尿病とは?
2:糖尿病を放っておくと?

 

糖尿病とは

脳をはじめ筋肉などを正常に動かすために使われるブドウ糖は、 絶対に欠かせないエネルギー栄養素です。食事を摂ると一時的に血糖値が上がります。すると、膵臓からインスリンが分泌されることで血糖値が下がります。インスリンの分泌や働きが正常であれば、血糖値も一定の範囲に保たれますが、 インスリンの分泌量が低下したり働きが悪くなったりすると、血液中のブドウ糖が増え、血糖値が高い状態が続きます。この状態が慢性的に起こる病気が、糖尿病です。高血糖の状態が続くと徐々に血管が傷つけられ、神経・目・腎臓などの機能が低下していきます。

糖尿病は原因により次の4つに分類されます。

1型糖尿病

膵臓のインスリンをつくり出す細 胞( β 細胞 ) が破壊されてインスリン分泌が低下し、血糖値が上昇することで起こる糖尿病です。 注射でインスリンを補う治療法(インスリン療法)を行います。

2型糖尿病

日本の糖尿病患者の90%以上を占めており、食生活・運動不足・ストレスなど生活習慣が原因で起こる糖尿病です。治療法は食事療法・運動療法が基本で、病状によって飲み薬やインスリン注射を併用することもあります。

その他の糖尿病

インスリンをつくっている膵臓の病気、ホルモンの病気、肝臓の病気、遺伝的な病気が原因で起こる糖尿病や、ステロイドやインターフェロンなどの薬物が原因で起こる糖尿病があります。

妊娠糖尿病

妊娠中に発症したか、あるいは妊娠中に初めて発見された糖尿病です。出産後にいったん血糖値が改善しても、妊娠糖尿病にならなかった人に比べ、将来糖尿病を発症するリスクが高くなっているため、定期的な検診が必要です。

 

この糖尿病を早期に見つけ、早期に治療介入を行うことが重要になります。どんな場面で糖尿病とわかるでしょうか?例えば、下記のようなものがあります。

  • 健康診断で糖尿病と言われた。(異常な血糖高値やHbA1cという数字が高くなっていて気付かれます。)
  • 高血糖の症状が出た(異常な口渇や多尿、体重減少、疲れやすいなどの症状)
  • 妊娠をした時に高血糖を指摘された。

指摘された時に早めにぜひ相談に来てください

 

糖尿病を放っておくと

糖尿病自体は症状のない疾患です。しかし、血糖値が高い状態が長く続くと合併症が起こる可能性が高くなってきます。治療をきちんと行い血糖コントロールをすることで、新たな合併症が起こるのを防ぎ、また、起きてしまった合併症の進行を抑えることができます。

合併症は、主に血管病変が起こります。血管病変は小さな血管の病変(細小血管症)、大きな血管の病変(大血管症)に分かれます。

細小血管症

細い血管にみられる糖尿病に特徴的な合併症です。「糖尿病の3大合併症」と呼ばれる病気を指します。やられる病変部位は神経と眼と腎臓です。

糖尿病神経症

神経が障害され、信号がすばやく体のすみずみまで伝達するという働きが低下します。手足のしびれ、ほてり、痛みなどがあらわれます。
一方、足の感覚が麻痺して、傷があったとしても気づかずに放置してしまい、足の潰瘍や壊疽になることもあります。足は清潔に保ち、常に注意を払うようにしましょう。

糖尿病性眼症

網膜の血管が障害され、目のかすみ、視力低下などがあらわれ、症状が進むと失明してしまうこともあります。少なくとも年に一度は眼科の検査を受けましょう。失明の原因の第2位が糖尿病性眼症です(ちなみに1位は緑内障です。)。

糖尿病性腎症

糖尿病により腎臓の働きが悪くなると、血圧が上昇し、尿中にタンパクが出る、体がむくむなどの症状があらわれます。さらに症状が進むと、血液中に老廃物がたまり、腎不全や尿毒症など生命にかかわる重篤な症状を引き起こします。このように慢性に経過する腎臓病のことを慢性腎臓病(CKD)といいます。
腎不全になってしまうと、人工透析を受ける必要が出てきます。透析導入の原因の第1位は糖尿病腎症です。

大血管症

大きな血管の病気である動脈硬化により起こる合併症で、脳卒中や、心筋梗塞、足の壊疽などがあります。動脈硬化は糖尿病があると進行しやすくなり、合併症による深刻な状況を引き起こす原因になります。また、脂質異常症、高血圧、喫煙、肥満、加齢なども動脈硬化の危険因子ですので、血圧やコレステロール値などの検査も定期的に受け、血糖のコントロールに加えて、コレステロール値や血圧、肥満の改善、禁煙に取り組みましょう。

 

今回、糖尿病に関しての一般的な話をさせていただきました。

糖尿病について心配なことがあれば、ぜひご相談ください。

 

サノフィ糖尿病情報サイト

 

文責:総合内科医師 宮内

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