アスピリンがポリープの予防に?他の癌はどうなの?
日本の研究ですが、家族性大腸腺腫症(FAP)に対してのポリープ発生率を抑える効果について、アスピリン内服が効果あることが4月に報告されています。
家族性大腸腺腫症(FAP)患者は現在約7300人になります。
この疾患はAPC遺伝子というものの病的変異にポリープがぱらぱらとみられ、約60歳までにほぼ100%大腸がんを発生し、若くてもきわめて高率で大腸がんを発症することが知られている疾患です。
この疾患は大腸癌になる確率も非常に高く、ポリープも多発するためポリープ摘除では追いつかないため、予防的にがん罹患の可能性が高い大腸を20歳頃に全て外科的に取り出してしまう「予防的な大腸全摘出術」が行われます。
しかし、大腸を摘除することで生活の質の低下は避けられなく、仕事や出産に影響が与えられます。
今回、大腸内視鏡により大きなポリープをできる限り摘除した後に、低用量アスピリンを服用するという方法でした。
100mg/日の低容量アスピリンの内服によってポリープの増大抑制が見られたというものです。
しかし、日本人は欧米人に比べ、脳出血を含めた出血を起こしやすいことがわかっています。
アスピリン内服は、脳内出血を含めた出血があったときには止血をしにくいため、この点には注意が必要です。なので、安易な内服はやめましょう!
今後、アスピリンが通常のポリープの予防にもつながるのでしょうか?
これに関しては、今後注目していきたいなと思います。