夜間尿で眠れない…腎臓のサインかも?江東区の専門医が原因と改善法を解説
(この記事は、第二服部医院 院長、日本腎臓学会 腎臓専門医の宮内 隆政が監修しています。)
夜中に何度もトイレへ…そのお悩み、放置していませんか?
「最近、夜中に何度もトイレで目が覚めて、ぐっすり眠れない」「歳のせいだと諦めているけれど、日中のだるさが抜けない」そんなお悩みをお持ちではありませんか?
夜間、排尿のために1回以上起きなければならない状態を「夜間頻尿(夜間尿)」と呼びます。これは単なる加齢現象ではなく、高血圧や糖尿病、そして慢性腎臓病(CKD)といった重大な病気が隠れているサインかもしれません。
この記事では、夜間尿に悩む方やご家族に向けて、その原因からご自身でできる対策、そして医療機関を受診する目安まで、腎臓内科の専門的な観点から詳しく解説します。この記事を読めば、夜間尿への正しい知識が身につき、不安を解消するための第一歩を踏み出すことができるでしょう。
夜間尿の基本|なぜ危険なサインと言われるのか
夜間尿が健康に与える深刻な影響
夜間尿がもたらす問題は、睡眠不足だけではありません。睡眠が妨げられることで、日中の集中力低下や倦怠感、気分の落ち込みなどを引き起こし、生活の質(QOL)を大きく損ないます。さらに、高齢者の場合、夜間に暗い中でトイレへ向かう際の転倒・骨折リスクは重大な問題です。
実際に、夜間頻尿の回数が1日2回以上の方は、0回の方と比較して骨折リスクが約2倍になるという報告もあります(出典:日本排尿機能学会誌)。日本泌尿器科学会の「夜間頻尿診療ガイドライン」でも、夜間頻尿は転倒・骨折の重要なリスク因子であると明確に位置づけられています。
また、夜間尿は体からの重要なSOSサインである可能性を認識することが何よりも重要です。特に、これまで気にならなかったのに急に回数が増えた、むくみや血圧の上昇も同時に見られるといった場合は注意が必要です。
「腎臓」との深い関係性
腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排出する重要な臓器です。健康な状態では、夜間は「おしっこを濃縮して量を減らす」働きを持つ抗利尿ホルモンが分泌され、腎臓での尿の生成が抑制されるため、長時間トイレに行かなくても済むようになっています。
しかし、加齢や腎機能の低下(慢性腎臓病など)が進行すると、この抗利尿ホルモンの分泌量が減ったり、ホルモンが出ても腎臓がうまく反応しなくなったりします。その結果、夜間でも尿の生成にブレーキがかからず、多くの尿が作られてしまうのです。
これを「夜間多尿」と呼び、夜間尿の最も一般的な原因の一つです。つまり、夜間尿は腎臓がうまく機能していないことを示す直接的なサインである可能性があるのです。
あなたの夜間尿はどのタイプ?主な3つの原因
夜間尿の原因は、大きく分けて以下の3つのタイプ、またはそれらの複合型と考えられます。ご自身がどれに当てはまるか考えながら読み進めてみてください。
【タイプ1:夜間多尿】夜間に尿が作られすぎてしまう
1日の総尿量は正常でも、夜間に作られる尿の割合が多くなってしまう状態です。主な原因には、抗利尿ホルモンの分泌低下のほか、高血圧、心不全、そして近年注目されている**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**などがあります。
【タイプ2:多尿】1日を通して尿量が多すぎる
文字通り、1日の尿量そのものが多くなっている状態です。原因としては、水分の過剰摂取(特に夕方以降)や、糖尿病による高血糖状態、まれに尿崩症といった病気が考えられます。
【タイプ3:膀胱容量の減少】尿を溜める力が落ちている
膀胱そのものが硬くなったり、他の臓器に圧迫されたりして、尿を十分に溜められなくなる状態です。男性では前立腺肥大症、女性では過活動膀胱(OAB)や骨盤臓器脱などが代表的な原因です。
医師が推奨する、今日からできる4つのセルフケア
1. 水分の摂り方:「いつ」「何を」飲むかを見直す
就寝前の2〜3時間は、利尿作用のあるアルコールやカフェイン(コーヒー、緑茶、紅茶など)を避けましょう。水分は日中にこまめに摂ることを意識し、夜はコップ1杯程度に留めるのが理想です。
2. 食事:「減塩」が腎臓と膀胱を助ける
塩分の摂りすぎは喉の渇きを招き、水分摂取量増加に繋がります。また、血圧を上昇させ、腎臓への負担を通じて夜間多尿の原因にもなります。厚生労働省が推奨する1日の食塩摂取量(男性7.5g未満、女性6.5g未満)を目安に、加工食品や麺類の汁を控えるなど、できることから始めましょう。
3. 運動:「夕方の散歩」が効果的
日中に重力で下半身に溜まった水分は、夜、横になることで血管内に戻り、尿として排出されやすくなります。これを防ぐため、夕方(就寝3〜4時間前)に30分程度のウォーキングや軽い運動を行うのがおすすめです。ふくらはぎのポンプ機能を使い、余分な水分を日中のうちに尿として出しておく効果が期待できます。
4. 体を冷やさない
体、特に下半身の冷えは膀胱を刺激し、頻尿の原因となります。夏場でもシャワーだけでなく湯船に浸かる、靴下やひざ掛けを利用するなど、体を温める工夫をしましょう。
クリニックでの検査と受診の目安
どのくらいの回数からが受診の目安?
夜間、排尿のために「1回」起きる程度であれば、多くの場合、加齢に伴う生理的な範囲内と考えられます。しかし、「2回以上」起きるようになり、それによって日中の生活に支障が出ている場合は、治療を検討することが推奨されます。ご自身で排尿の時間と量を記録する「排尿日誌」をつけていただくと、診察が非常にスムーズになります。
すぐに受診すべき危険なサイン
夜間尿に加えて、以下のような症状が見られる場合は、腎臓などに重大な問題が起きている可能性があります。セルフケアで様子を見ず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
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足や顔のむくみ(浮腫)
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尿が泡立つ(蛋白尿)
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血尿(尿が赤い、茶色い)
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急激な体重増加
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息切れ、動悸
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強い倦怠感、食欲不振
上記のようなサインがある場合はもちろん、「歳のせいだと思っていたけれど、やっぱり気になる」と感じる方は、まずはかかりつけ医、あるいは当院のような腎臓内科の専門医にご相談ください。
江東区東陽・木場駅周辺で夜間尿にお悩みの方は第二服部医院へ
江東区東陽や、東京メトロ東西線 木場駅周辺にお住まい・お勤めで、「夜間尿が続いて眠れない」「健診で腎機能の低下を指摘された」といったご不安をお持ちの方は、ぜひ一度、第二服部医院にご相談ください。
当院では、日本腎臓学会専門医・透析専門医である院長が、患者様一人ひとりのお話を丁寧にお伺いし、院内で迅速に行える血液・尿検査や超音波検査などを通じて、根本原因を的確に診断します。
初診の際は、お電話またはウェブサイトからご予約いただくとスムーズです。もし健康診断の結果やお薬手帳をお持ちでしたら、ご持参ください。
まとめ:ぐっすり眠れる毎日を取り戻すために
本記事では、夜間尿の原因、特に腎臓との関連性、ご自身でできる対策、そして医療機関を受診するタイミングについて解説しました。
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夜間尿は睡眠の質を下げ、転倒・骨折リスクを高めます。
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腎機能の低下、高血圧、糖尿病など、重大な病気のサインである可能性があります。
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対策の基本は、夕方以降の水分調整、減塩、適度な運動です。
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夜間に2回以上起きる、むくみ等のサインがあれば早めに専門医へ相談しましょう。
夜間尿は決して「歳のせい」と諦める必要のない症状です。その裏に隠れた原因を正しく突き止め、適切に対処することで、改善が期待できます。この記事が、皆様の不安を和らげ、健やかな毎日を取り戻すための一助となれば幸いです。症状が続く場合やご不安な点がございましたら、お気軽に江東区東陽の第二服部医院までご相談ください。
記事執筆者
第二服部医院 院長 宮内 隆政
略歴
- 平成21年 東邦大学医学部医学科 卒業
- 平成21年〜 東邦大学医療センター佐倉病院
- 平成23年〜 東邦大学医療センター 腎臓内科(都立墨東病院救急・救命センター、国立病院機構東京病院 呼吸器科で研修)
- 平成24年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 総合内科
- 平成26年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 腎臓・糖尿病内分泌科
- 平成27年〜 聖路加国際病院 腎臓内科
- 平成30年〜 Cedars Sinai Medical Center
- 令和1年〜令和2年 ユアクリニック秋葉原
- 令和1年〜 聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科 登録医
所属学会
日本内科学会、日本プライマリケア学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会、日本高血圧学会、外来小児科学会、米国内科学会、米国腎臓学会、国際腎臓学会
資格
- 総合内科専門医
- 腎臓専門医
- 透析専門医
- 日本プライマリケア学会認定医
