尿路結石の症状チェックリスト|背中や脇腹の痛みは要注意サイン
「もしかして尿路結石かも?」その突然の痛み、セルフチェックしてみませんか?
「急に背中や脇腹に、今まで経験したことのないような激しい痛みが走った」「冷や汗が出るほどの痛みで、じっとしていられない」「吐き気や血尿も伴う」――。
このような症状に心当たりがあり、不安な時間を過ごしている方はいらっしゃらないでしょうか。その耐えがたい痛みは、尿路結石が原因かもしれません。尿路結石は「痛みの王様(King of pain)」と表現されるほど強烈な痛みを引き起こすことがあり、多くの人が救急外来を受診する原因の一つです。
この記事では、腎臓内科の専門的な観点から、ご自身の症状が尿路結石に当てはまるかを確認できる「症状チェックリスト」を提示するとともに、痛みの原因や放置するリスク、主な治療法について詳しく解説していきます。この記事が、あなたの不安を和らげ、適切な行動をとるための第一歩となれば幸いです。
尿路結石とは?激しい痛みが起こるメカニズム
尿路結石が引き起こす問題とその危険性
尿路結石とは、腎臓から尿道までの尿の通り道(尿路)に、シュウ酸カルシウムなどの成分が結晶化してできた石(結石)のことです。結石が腎臓の中にあるうちは、ほとんど症状がありません。
しかし、その結石が腎臓から尿管という細い管へ移動し、尿の流れを妨げたときに、問題が起こります。尿の流れがせき止められることで、腎臓の内圧が急激に上昇し、脇腹や背中に激しい痛み(疝痛発作)を引き起こすのです。この痛みは数十分から数時間続くこともあり、あまりの激痛に吐き気や嘔吐を伴うことも少なくありません。
また、結石が尿路の粘膜を傷つけることで、尿に血が混じる「血尿」も見られます。痛みが一時的に治まっても、結石が体内に残っている限り、再発のリスクは常に存在します。
放置すると腎臓の機能に影響が及ぶことも
激しい痛みが尿路結石の最もつらい症状ですが、危険性はそれだけではありません。結石によって尿の流れが悪い状態が続くと、腎臓に尿が溜まって腫れてしまう「水腎症」を引き起こす可能性があります。
さらに、せき止められた尿に細菌が感染すると、腎盂腎炎という高熱を伴う感染症に発展することがあり、重症化すると敗血症など命に関わる状態に陥ることもあります。日本泌尿器科学会のガイドラインでも、発熱や悪寒を伴う場合は緊急対応が必要とされています(出典:日本泌尿器科学会『尿路結石症診療ガイドライン』)。
長期間にわたって結石を放置し、水腎症や感染を繰り返していると、腎臓の機能そのものが徐々に低下してしまうリスクも否定できません。たかが石と侮らず、適切な診断と治療を受けるために、まずは専門医に相談することが腎臓を守る上で非常に重要です。
あなたの症状は大丈夫?尿路結石セルフチェックリスト
これが出たら要注意!尿路結石の代表的な症状
以下の項目に当てはまるものがないか、確認してみましょう。複数当てはまる場合は、尿路結石の可能性がより高まります。
| チェック項目 | 具体的な症状 |
| □ 突然の激しい痛み | 脇腹、背中、下腹部のいずれかに、突然現れる刺すような、または締め付けられるような激しい痛み。 |
| □ 痛みの場所が移動する | 最初は背中だった痛みが、徐々に下腹部や足の付け根の方へ移動していく。 |
| □ じっとしていられない | どんな体勢をとっても楽にならず、あまりの痛みに転げ回ってしまうほど。 |
| □ 血尿 | 目で見てわかる赤い尿(肉眼的血尿)や、健康診断で指摘される血尿(顕微鏡的血尿)が出る。 |
| □ 吐き気・嘔吐・冷や汗 | 痛みが強すぎて、吐き気や嘔吐、顔面蒼白、冷や汗などの症状を伴う。 |
| □ 残尿感・頻尿 | 結石が膀胱の近くまで落ちてくると、膀胱が刺激されてトイレが近くなったり、残尿感が出たりする。 |
| □ 発熱・悪寒 | (緊急性の高いサイン) 38度以上の高熱が出たり、寒気で体が震えたりする。 |
結石の場所によって変わる痛みの特徴
尿路結石の痛みは、結石が存在する場所によって特徴が異なります。
腎臓にある場合(腎結石)
多くは無症状ですが、時に鈍い痛みを感じることがあります。
尿管にある場合(尿管結石)
最も激しい痛みを引き起こします。結石が尿管の上部にある場合は背中や脇腹、中部では横腹、下部まで落ちてくると下腹部や足の付け根(鼠径部)に痛みが移動していきます。
膀胱にある場合(膀胱結石)
激しい痛みは少ないですが、排尿時の痛みや残尿感、頻尿といった症状が出やすくなります。
このように、痛みの場所や性質を医師に詳しく伝えることが、迅速な診断の助けになります。
尿路結石の診断と治療
病院で行われる主な検査
尿路結石が疑われる場合、医療機関では以下のような検査を行い、診断を確定します。
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尿検査: 血尿や細菌感染の有無などを調べます。
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腹部超音波(エコー)検査: 腎臓の腫れ(水腎症)や結石の有無を、体に負担なく確認できます。
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レントゲン(KUB)検査: 結石の大きさや位置を確認する基本的な検査です。
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CT検査: レントゲンに写らない小さな結石も含め、最も正確に診断できる検査です。
尿路結石の治療法
尿路結石の治療は、結石の大きさや場所、症状によって異なります。
保存療法
結石が10mm以下と小さい場合は、水分を多く摂取し、適切な運動を行うことで自然に排出されるのを待ちます。痛みが強い場合は、鎮痛剤を使用して症状を和らげます。
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体の外から衝撃波を当てて結石を細かく砕き、尿と一緒に排出させる治療法です。日帰りや短期入院で行える、体への負担が少ない治療です。
内視鏡手術(TULなど)
尿道から細い内視鏡を挿入し、レーザーで結石を砕いて取り出す手術です。ESWLで破砕困難な硬い結石や大きな結石に対して行われます。
どの治療法が最適かは、専門医が患者さん一人ひとりの状態をみて総合的に判断します。
江東区・木場駅周辺で背中や脇腹の痛みにお悩みの方は当院へ
ここまで解説してきた症状チェックリストに当てはまる項目があり、不安を感じている方はいらっしゃいませんか。江東区や木場駅周辺にお住まい、お勤めの方で、突然の背中や脇腹の痛み、血尿などの症状でお悩みでしたら、ぜひ一度、第二服部医院へご相談ください。
当院では、腎臓内科の専門医が、尿路結石をはじめとする腎臓・泌尿器系の疾患全般について専門的な診療を行っております。院内での迅速な尿検査や腹部超音波検査などを通じて、痛みの原因を的確に診断し、適切な治療方針をご提案します。
より専門的な破砕治療や手術が必要と判断した場合は、地域の基幹病院と密に連携し、最適な医療機関へスムーズにご紹介する体制も整っております。激しい痛みを我慢せず、まずは専門医にご相談ください。
まとめ:気になる症状があれば、自己判断せずに専門医の診察を
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突然の激しい脇腹・背中の痛み、血尿、吐き気は尿路結石の代表的なサインです。
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痛みの場所が移動するのは、結石が尿管内を移動している証拠と考えられます。
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発熱を伴う場合は、細菌感染の可能性があり緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診してください。
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放置すると腎臓の機能を損なうリスクがあるため、適切な診断と治療が必要です。
尿路結石の痛みは非常に辛いものですが、適切な診断と治療によって改善が期待できる病気です。チェックリストに当てはまる症状がある場合は、決して自己判断で様子を見たりせず、お早めに専門の医療機関を受診してください。
記事執筆者
第二服部医院 院長 宮内 隆政
略歴
- 平成21年 東邦大学医学部医学科 卒業
- 平成21年〜 東邦大学医療センター佐倉病院
- 平成23年〜 東邦大学医療センター 腎臓内科(都立墨東病院救急・救命センター、国立病院機構東京病院 呼吸器科で研修)
- 平成24年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 総合内科
- 平成26年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 腎臓・糖尿病内分泌科
- 平成27年〜 聖路加国際病院 腎臓内科
- 平成30年〜 Cedars Sinai Medical Center
- 令和1年〜令和2年 ユアクリニック秋葉原
- 令和1年〜 聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科 登録医
所属学会
日本内科学会、日本プライマリケア学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会、日本高血圧学会、外来小児科学会、米国内科学会、米国腎臓学会、国際腎臓学会
資格
- 総合内科専門医
- 腎臓専門医
- 透析専門医
- 日本プライマリケア学会認定医
