慢性腎不全と診断されたら知っておきたい検査・治療・生活管理
慢性腎不全と診断されると、将来への不安や生活面での疑問を感じる方も多いかと思います。
慢性腎不全は、腎機能の状態を定期的に確認しながら、長期的に管理していくことが重要とされている疾患です。
この記事では、慢性腎不全と診断された方、健診で腎機能低下を指摘された方、そのご家族に向けて、検査・治療の考え方・日常生活での管理ポイントを、腎臓内科の一般的な知見に基づいて解説します。
慢性腎不全(CKD)とは
慢性腎不全は、腎臓の働きが長い時間をかけて徐々に低下していく状態を指します。
腎臓は老廃物や余分な水分を尿として排出するだけでなく、血圧調整や電解質バランスの維持など、全身の健康に深く関わっています。
慢性腎臓病(CKD)との関係
現在は「慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)」という概念が広く用いられています。
一般にCKDは、腎機能低下(eGFR低下)や蛋白尿などの腎障害が3か月以上持続する状態と定義されています。
慢性腎不全は、このCKDの範囲に含まれる状態であり、一時的な異常ではなく、継続的な評価と管理が必要とされています。
なぜ長期管理が必要とされるのか
慢性腎不全は、初期には自覚症状が乏しいことも多く、気づかないうちに進行する場合があります。
そのため、症状の有無だけで判断せず、検査数値の推移を確認しながら経過をみることが大切です。
慢性腎不全(CKD)で行われる主な検査
慢性腎不全では、腎機能の状態や変化を把握するため、以下のような検査が行われます。
血液検査(eGFR・クレアチニン)
血液検査では、クレアチニン値やeGFR(推算糸球体濾過量)を確認します。
eGFRは、腎臓がどの程度老廃物を排出できているかを示す目安として用いられます。
尿検査(蛋白尿・アルブミン尿)
尿検査では、尿蛋白や必要に応じて尿アルブミンを調べます。
eGFRと尿蛋白(アルブミン尿)を組み合わせて評価することで、腎機能低下のリスクやフォロー頻度の目安を判断することがあります。
画像検査(超音波など)
必要に応じて、腎臓の大きさや形を確認するため、超音波検査などの画像検査が行われる場合があります。
慢性腎不全の治療の考え方
慢性腎不全の治療は、「数値を短期間で改善させる」ことを目的とするのではなく、
腎臓への負担をできるだけ抑えながら、状態に応じて管理していくことが基本的な考え方です。
治療の柱としては、以下のような視点が一般的です。
① 原因疾患や血圧などの管理
② 蛋白尿や腎臓への負担軽減
③ 合併症(貧血・電解質異常など)の評価
④ 生活・栄養面のサポート
原因疾患への対応
高血圧や糖尿病など、慢性腎不全の背景にある疾患の管理が重要とされています。
薬物療法の位置づけ
腎機能や全身状態に応じて、血圧調整や腎臓への負担を考慮した薬物療法が検討されます。
使用する薬の種類や量は個人差があります。
保存期治療とは
透析が必要となる前の段階を「保存期」と呼びます。
保存期治療では、検査結果を定期的に確認しながら、生活管理と治療を継続することが中心となります。
日常生活での管理が重要な理由
慢性腎不全では、日々の生活習慣が腎臓への負担に影響すると考えられています。
食事管理
一般的には、塩分やたんぱく質の摂取量に配慮することが勧められる場合があります。
ただし、制限の程度は病期や体格、合併症によって異なり、自己判断での過度な制限は低栄養につながる可能性があります。
医師や管理栄養士と相談しながら調整することが重要です。
水分摂取
水分量についても、腎機能や心臓の状態を踏まえて判断されます。
運動・生活習慣
無理のない範囲での運動や、継続しやすい生活リズムを整えることが意識されます。
[表] 一般的に注意される生活管理項目(食事・運動・服薬)
通院・フォローアップの重要性
慢性腎不全では、症状が落ち着いているように感じられても、定期的な検査と診察が重要とされています。
eGFRが前回検査から大きく変動した場合などは、想定される変化幅を超えている可能性があり、評価が勧められることがあります。
このような場合は腎臓内科へ相談を
・健診で腎機能低下を指摘された
・尿蛋白が続いている、1+以上と言われた
・数値の変化が気になっている
・生活管理や治療について不安がある
気になる点があれば、早めに相談することも選択肢の一つです。
江東区・東陽町で慢性腎不全の診療を検討している方へ
慢性腎不全は、継続的なフォローが重要とされる疾患です。
江東区・東陽町周辺で腎臓内科をお探しの方は、通院のしやすさも考慮しながら相談先を検討するとよいでしょう。
まとめ
慢性腎不全は、正確な情報を理解し、検査・治療・生活管理を継続していくことが大切とされている疾患です。
不安や疑問がある場合は、自己判断せず、腎臓内科で相談することが安心につながります。
記事執筆者
第二服部医院 院長 宮内 隆政
略歴
- 平成21年 東邦大学医学部医学科 卒業
- 平成21年〜 東邦大学医療センター佐倉病院
- 平成23年〜 東邦大学医療センター 腎臓内科(都立墨東病院救急・救命センター、国立病院機構東京病院 呼吸器科で研修)
- 平成24年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 総合内科
- 平成26年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 腎臓・糖尿病内分泌科
- 平成27年〜 聖路加国際病院 腎臓内科
- 平成30年〜 Cedars Sinai Medical Center
- 令和1年〜令和2年 ユアクリニック秋葉原
- 令和1年〜 聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科 登録医
所属学会
日本内科学会、日本プライマリケア学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会、日本高血圧学会、外来小児科学会、米国内科学会、米国腎臓学会、国際腎臓学会
資格
- 総合内科専門医
- 腎臓専門医
- 透析専門医
- 日本プライマリケア学会認定医
参考情報
・日本腎臓学会 公開情報
・厚生労働省 慢性腎臓病(CKD)に関する資料
