透析が必要になる理由とは?原因疾患と治療の仕組みを専門医が解説
「病院で透析を検討しましょうと言われた」「最近、腎臓の数値が悪くて将来が不安……」 このように悩まれている方は少なくありません。
「透析」という言葉を耳にすると、これまでの生活がガラリと変わってしまうような、大きな不安を感じるのも無理はないことです。しかし、透析は決して「人生の終わり」ではなく、弱ってしまった腎臓の代わりに、あなたがあなたらしく生活を続けるための「前向きなサポート」でもあります。
本記事では、江東区東陽・木場にある「第二服部医院」の視点から、透析が必要になる原因やその仕組み、そして最新の治療選択肢について、専門医が分かりやすく解説します。
透析とは?腎臓が果たしている「3つの役割」
透析とは、一言で言えば「働けなくなった腎臓の代わりに、専用の装置や自分の体の膜を使って血液をきれいにすること」です。
なぜ透析が必要なのかを理解するために、まずは本来の腎臓がどのような役割を担っているのかを知っておきましょう。腎臓は、背中側の腰のあたりに左右一つずつある、ソラマメのような形をした臓器です。
① 老廃物の排泄(体のフィルター)
血液中を流れる不要な老廃物(ゴミ)を濾過し、尿として体の外へ出す役割です。腎臓が働かなくなると、体中に毒素(尿毒症物質)が溜まり、吐き気や頭痛、意識障害などを引き起こします。
② 水分・塩分の調節
体内の水分量や塩分(ナトリウム)の濃度を適切に保ちます。腎機能が低下すると、余分な水分が排出できず、足のむくみや息切れ(肺水腫)、高血圧の原因になります。
③ ホルモンの分泌(血圧・血液・骨の管理)
腎臓は単なるフィルターではありません。
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血圧を調整するホルモンを出す
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赤血球を作る司令塔(エリスロポエチン)を出す
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ビタミンDを活性化させて骨を丈夫にする といった、生命維持に欠かせない司令塔の役割も担っています。
なぜ透析が必要になるのか?「原因」を解説
腎臓は非常に我慢強い臓器で、多少ダメージを受けても自覚症状が出にくいのが特徴です。しかし、一度失われた機能(慢性腎不全)は、現代医学では元に戻すことが困難です。
腎臓の機能が正常時の10〜15%以下になると、体内の環境を維持できなくなり、生命を維持するために透析治療が必要になります。では、どのような病気が原因で透析に至るのでしょうか。
透析導入の原因疾患ランキング
日本透析医学会の調査(2022年末データ)によると、透析を始めることになった原因のトップ3は以下の通りです。
第1位:糖尿病性腎症(約38%)
現在、透析導入の原因で最も多いのが糖尿病です。血液中の糖分が高い状態(高血糖)が長く続くと、腎臓の中にある細い血管(糸球体)がボロボロになり、フィルター機能が壊れてしまいます。
第2位:慢性糸球体腎炎(約15%)
腎臓のフィルターである「糸球体」に炎症が起きる病気です。かつては原因の第1位でしたが、治療法の進歩により減少傾向にあります。
第3位:腎硬化症(約10%)
長年の高血圧によって、腎臓の血管が動脈硬化を起こし、血流が悪くなることで腎機能が低下する病気です。高齢化に伴い、この腎硬化症から透析になる方が増えています。
透析治療の仕組みと種類
透析には、大きく分けて「血液透析(HD)」と「腹膜透析(PD)」の2種類があります。
血液透析(HD:Hemodialysis)
日本で最も一般的な方法です。腕の血管(シャント)に針を刺し、血液を一度体の外に出して、機械(ダイアライザー)でろ過して綺麗になった血液を体に戻します。
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頻度: 週3回、1回4時間程度が目安です。
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特徴: 病院で行うため、医師や看護師の管理下で安全に受けられます。
腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)
自分の体内にある「腹膜」という膜をフィルターとして利用します。お腹にカテーテルを留置し、そこから透析液を出し入れします。
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頻度: 毎日(自宅や職場で行います)。
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特徴: 血液透析に比べて通院回数が少なく(月1〜2回)、生活スタイルに合わせやすいのがメリットです。
透析を回避・遅らせるためにできること
「腎臓の数値が悪い」と言われた段階であれば、透析への導入を遅らせたり、回避したりできる可能性があります。
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徹底した血圧管理:腎臓への負担を減らすため、血圧を適切にコントロールします。
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食事療法:塩分、タンパク質、カリウムなどの制限が必要になる場合があります。
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血糖値のコントロール:糖尿病がある場合、これ以上腎臓を傷めないための最優先事項です。
当院では、患者様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、無理のない範囲で継続できる治療案を提案しています。
江東区東陽・木場で透析・腎臓の悩みをお持ちの方へ
江東区の「第二服部医院」では、腎臓内科の専門的な視点から、透析予防から導入後の管理までトータルでサポートしております。
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東陽町駅・木場駅から徒歩3分:通院の負担を軽減するアクセスの良さ。
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専門医によるきめ細かな診療:数値を見るだけでなく、患者様の「生活」を第一に考えます。
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糖尿病内科との連携:透析の最大の原因である糖尿病の管理にも力を入れています。
「最近むくみが気になる」「尿検査で蛋白が出た」といった初期の悩みから、透析に関する具体的なご相談まで、どうぞお気軽にお越しください。
まとめ
透析は、機能を失った腎臓に代わって、あなたの命と生活を支えるための手段です。原因を知り、正しく向き合うことで、透析を始めてからもこれまで通り趣味や仕事を続けている方はたくさんいらっしゃいます。
一人で悩まず、まずは専門医にご相談ください。私たちと一緒に、最適な道を見つけていきましょう
記事執筆者
第二服部医院 院長 宮内 隆政
略歴
- 平成21年 東邦大学医学部医学科 卒業
- 平成21年〜 東邦大学医療センター佐倉病院
- 平成23年〜 東邦大学医療センター 腎臓内科(都立墨東病院救急・救命センター、国立病院機構東京病院 呼吸器科で研修)
- 平成24年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 総合内科
- 平成26年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 腎臓・糖尿病内分泌科
- 平成27年〜 聖路加国際病院 腎臓内科
- 平成30年〜 Cedars Sinai Medical Center
- 令和1年〜令和2年 ユアクリニック秋葉原
- 令和1年〜 聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科 登録医
所属学会
日本内科学会、日本プライマリケア学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会、日本高血圧学会、外来小児科学会、米国内科学会、米国腎臓学会、国際腎臓学会
資格
- 総合内科専門医
- 腎臓専門医
- 透析専門医
- 日本プライマリケア学会認定医
