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eGFRの基準値とは?数値が低い原因と腎臓内科医が教える対策

[2026.03.16]

健康診断の結果を受け取って「eGFR(推算糸球体濾過量)」という項目の数値が低く、驚いたり不安になったりしていませんか?

「腎臓の機能が落ちているの?」「将来、透析になってしまうの?」と心配になる方も多いかもしれません。腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり悪化するまで自覚症状が出にくいのが特徴です。だからこそ、検査の数値から送られてくるサインを正しく読み取ることが非常に重要です。

この記事では、腎臓内科の視点から、eGFRの基準値の意味や数値が下がる原因、そして大切な腎臓を守るために今日からできる対策を分かりやすく解説します。

 

eGFR(推算糸球体濾過量)とは?腎臓の役割を解説

まず、eGFRが何を表しているのかを整理しましょう。

腎臓には、血液中から老廃物や余分な水分を取り除き、尿として排出する「フィルター」のような役割があります。このフィルターの機能を専門用語で「糸球体(しきゅうたい)」と呼びます。

eGFR(estimated Glomerular Filtration Rate:推算糸球体濾過量)は、この「腎臓のフィルターが1分間にどれくらいの血液をきれいにできているか」を数値化したものです。いわば、あなたの腎臓の「元気度」や「点数」だと考えてください。

 

eGFRの基準値と数値の見方|あなたの腎臓は何点?

eGFRの数値は、血液検査で測定される「血清クレアチニン値」と「年齢」「性別」を用いて算出されます。一般的な基準値の目安は以下の通りです。

 

1. eGFRの判定基準

  • 90以上: 正常(しっかり働いています)

  • 60〜89: 軽度の低下(生活習慣の見直しが必要な場合も)

  • 60未満: 腎機能の低下が疑われる(慢性腎臓病:CKDの可能性があります)

特に、eGFRが60未満の状態が3ヶ月以上続く場合は、「慢性腎臓病(CKD)」と診断される対象となります。

※eGFRは筋肉量や運動量によっても変動することがあります。一度の検査結果で一喜一憂せず、まずは専門医による再検査や尿検査との併用診断を受けることが大切です。

 

2. 年齢とともに数値は下がる?

eGFRは、老化現象の一つとして年齢とともに少しずつ低下する傾向があります。しかし、「年だから仕方ない」と放置して良いわけではありません。同年代の人と比較して低下のスピードが速い場合は、何らかの病気が隠れているサインかもしれません。

 

3. eGFRの数値によるステージ分類(CKD)

腎機能の状態は、eGFRの数値によってG1〜G5までの「ステージ」に分類されます。

 

なぜeGFRの数値が低くなるのか?考えられる主な原因

eGFRが低下する理由は、単なる加齢だけではありません。主に以下のような原因が挙げられます。

 

1. 生活習慣病(糖尿病・高血圧)

もっとも多い原因の一つが、生活習慣病です。

  • 糖尿病: 血液中の糖分が多い状態が続くと、腎臓の細い血管(糸球体)がダメージを受け、「糖尿病性腎症」を引き起こします。

    糖尿病について詳しくはこちら
  • 高血圧: 血管に強い圧力がかかり続けることで、腎臓の血管が硬くなり、ろ過機能が低下します。

 

2. 腎炎や多発性嚢胞腎

「IgA腎症」などの腎炎や、遺伝的に腎臓に嚢胞(水のたまり)ができる「多発性嚢胞腎」など、腎臓そのものの病気が原因となることもあります。

 

3. 一時的な低下(脱水や薬の影響)

検査の直前に水分不足(脱水)だったり、鎮痛剤(ロキソニンなど)や特定の薬を常用していたりすると、一時的に数値が悪化することがあります。

 

eGFRが低い状態を放置するリスク

「特に体調も悪くないし、次の健診まで様子を見よう」と考えるのは非常に危険です。腎臓の機能が一度失われると、多くの場合、元に戻ることは難しいからです。

 

1. 「人工透析」が必要になる可能性

腎機能が進行して末期腎不全(ステージG5)になると、尿が作れなくなり、体内に毒素が溜まってしまいます。生命を維持するためには、機械で血液を浄化する「人工透析」を生涯続ける必要が出てきます。 

 

2. 心血管疾患のリスク増大

腎臓が悪いと、心筋梗塞や脳卒中などの「心血管疾患」の発症リスクが急激に高まることが分かっています。腎臓は全身の血管と深く関わっているため、腎臓を守ることは「命を守る」ことと同じなのです。

 

腎臓の数値を守るために今日からできる「対策」

eGFRの数値をこれ以上下げないためには、早期の対策が鍵を握ります。ご家庭でできる主な改善ポイントは以下の3点です。

 

1. 塩分を控える(減塩)

腎臓への負担を減らすため、塩分の摂取量は「1日6g未満」が推奨されます。出汁を活用したり、酸味や香辛料で味付けに変化をつける工夫をしましょう。

 

2. 血圧と血糖値の管理

血管に負担をかけないよう、血圧を適切にコントロールすることが最優先です。ご家庭での血圧測定を習慣にしましょう。

 

3. 適切な水分補給と禁煙

極端な水分制限(心不全などの場合を除く)は脱水を招き、腎臓に負担をかけます。また、タバコは腎臓の血管を収縮させるため、禁煙は必須です。

 

専門医を受診するタイミングと当院の診療について

「再検査」の判定が出た場合や、eGFRが60未満だった場合は、速やかに腎臓内科を受診してください。

腎臓内科では、血液検査や尿検査(蛋白尿の有無)を詳しく分析し、何が原因で数値が下がっているのか、今後どのような治療が必要かを専門的な視点で判断します。

 

木場駅徒歩3分、通いやすさを重視した診療

当院「第二服部医院」は、江東区の木場駅(東陽町エリア)から徒歩3分の場所に位置しています。お仕事帰りや隙間時間でも受診しやすい環境を整え、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた無理のない治療計画をご提案します。

「まだ大丈夫だろう」と過信せず、まずはあなたの腎臓の現状を知ることから始めましょう。

当院の初診の流れはこちら

 

まとめ|eGFRは腎臓からの重要なサイン

eGFRの数値は、あなたの体が発している「腎臓を大切にしてほしい」という重要なサインです。

  • eGFRは腎臓の元気度(ろ過能力)を示す数値

  • 60未満が続く場合は「慢性腎臓病(CKD)」の疑い

  • 放置すると透析や心血管疾患のリスクが高まる

  • 生活習慣の見直しと、腎臓内科での専門的な管理が不可欠

少しでも不安を感じたら、一人で悩まずにぜひご相談ください。私たちは、皆様の大切な腎臓を守るパートナーとして、優しく寄り添う診療を心がけています。

記事執筆者

第二服部医院 院長 宮内 隆政

略歴

  • 平成21年 東邦大学医学部医学科 卒業
  • 平成21年〜 東邦大学医療センター佐倉病院
  • 平成23年〜 東邦大学医療センター 腎臓内科(都立墨東病院救急・救命センター、国立病院機構東京病院 呼吸器科で研修)
  • 平成24年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 総合内科
  • 平成26年〜 東京ベイ浦安市川医療センター 腎臓・糖尿病内分泌科
  • 平成27年〜 聖路加国際病院 腎臓内科
  • 平成30年〜 Cedars Sinai Medical Center
  • 令和1年〜令和2年 ユアクリニック秋葉原
  • 令和1年〜 聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科 登録医

所属学会
日本内科学会、日本プライマリケア学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会、日本高血圧学会、外来小児科学会、米国内科学会、米国腎臓学会、国際腎臓学会

資格

  • 総合内科専門医
  • 腎臓専門医
  • 透析専門医
  • 日本プライマリケア学会認定医
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