ヘルパンギーナについて
1:ヘルパンギーナとは
2:ヘルパンギーナの症状は?
3:診断するにはどうすればいいですか?
4:治療法は何がありますか?
5:治療中の注意?
6:予防するためには?
7:登園(登校)基準は?
ヘルパンギーナとは
ヘルパンギーナは夏風邪の代表で、主にエンテロウイルス属のコクサッキーAウイルスが主な原因です。
原因となるウイルスが複数あるため、くり返しかかることがあります。
7月をピークに秋にかけて流行します。
5歳以下の子供が発症する90%の割合を占め、特に1歳代の子供が最もかかりやすいです。
2~10日程度の潜伏期間の後に発症します。
ヘルパンギーナの症状は?
喉の奥に水疱と潰瘍ができるのが特徴です。また、高熱が出るのも特徴になります。
水疱の数はさまざまですが、通常は10個未満です。
手足口病と異なり、手や脚には発疹はみられません。また、手足口病に比べて高熱が出ます。
症状としては、発熱は1~3日程度続き、のどの痛みは3~6日程度続きます。
のどの痛みが強いと唾液を飲み込むのも難しくなり、よだれが多いことを訴える方もいます。
合併症としては、熱に伴う熱性けいれんと、まれに髄膜炎や心筋炎が生じることがあります。
診断するにはどうすればいいですか?
ヘルパンギーナには、迅速検査はありません。
喉の所見や発熱の経過、周囲の流行の状況などで診断します。
治療法は何がありますか?
ウイルス感染によるものなので、特別な治療法はなく抗生物質も効きません。
解熱剤や喉の痛みを和らげる薬を服用したり、脱水を防ぐため、経口補水液によるこまめな水分補給などで治るのを待ちます。
また、喉の痛みで水分や食事が摂りづらくなることもありますが、豆腐や冷たいスープ、ゼリーなど喉への負担が少ない食べ物での栄養補給を心掛けましょう。
治療中の注意?
のどが痛くなることが多いため、熱いものやしみるものは控えて下さい。
脱水には注意が必要です。
予防するためには?
飛沫感染、接触感染が主ですので、手洗いやうがい、マスクといった日常の対策が有効です。
便中に長く排泄されるので、おむつを交換するときなどには手洗いをしっかりしましょう。
登園(登校)基準は?
熱が下がり、のどの痛みがなくなり普通に食事がとれるようになったら登園は可能です。
主な症状から回復した後も、ウイルスは2~4週間ほどにわたって便から排泄されることがあるので注意が必要です。
文責:総合内科専門医 宮内