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検尿異常(タンパク尿、血尿)

検尿異常をみなさんはどのように捉えているでしょうか?

腎臓内科医として検尿異常を見た時には、もしかすると腎臓からの何らかのサインなのかもしれない!?と思ってみています。

検尿異常について簡単にまとめます。

なぜ検尿異常が大切なのか?

腎臓は症状が出ることが少ない臓器の一つです。腎臓の機能が非常に悪くなってからでないと、症状が出ない場合も多いです。

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なので、学校や地域、職場などでの健康診断時の検尿異常(蛋白尿や血尿)が腎臓の病気発見のきっかけになることが多いです。ガイドラインで、内科領域の50%、小児科領域の40%で蛋白尿・血尿が糸球体腎炎発見のきっかけとなっていることがわかっています。

検尿の考え方・進め方(ガイドライン)

 

どの尿を使用すればいいのか?

大きく分けて、随時尿と言われる早朝尿以外の随時に出される尿か早朝尿に分けられます。

随時尿:最も一般的な方法です。採尿の際は中間尿をとります。中間尿は、最初と最後の尿を捨て、中間部分の尿を採るので、尿道口周辺の汚れなど、混入物を少なくすることができ、より正確で安定した検査ができるためです。

早朝尿:これは、起床時の第一尿になります。早朝尿を取るメリットは、体動や運動の影響が除外されます。また、濃縮尿のため感度よく蛋白を検出しうる点でも特徴的です。思春期前後の小児では体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)の頻度が高いので、この年齢の子どもの検尿を行う場合には、早朝第一尿を当院でも当院でもおすすめしています。

検査の注意点:

ビタミンCを大量に摂取すると正しい検査結果が得られない事があります。また、生理中は尿潜血、尿蛋白が陽性になることがあるので、注意が必要です。その場合には、別日に検査を行いましょう。

各種尿検査の異常について

各種検査は通常は尿定性検査(尿試験紙法)で健康診断などでは行われています。そこで、出る各項目について述べていきたいと思います。

尿試験紙はプラスチック製のスティックに、試薬を浸み込ませた濾紙(ろし)片を貼りつけたものです。試験紙の色が変化していき確認します。自動分析装置が普及し、当院でも色の変化を目視ではなく、機器が判定します。
 
尿試験紙法の結果は【-・±・+・2+・3+】と表示されます。

*尿蛋白

検査の内容:尿中のタンパクを調べます。正常であれば検査は陰性になります。
検査でわかること

腎臓の糸球体に障害がある場合や尿細管での再吸収機能の低下により、尿試験紙法でタンパクが陽性になります。
腎炎、ネフローゼ症候群、尿路の腫瘍、血液の病気などでも陽性になります。
長時間立った姿勢をしているだけで尿蛋白が出たり(起立性蛋白尿)、激しい運動後やストレスなどでも、尿蛋白が出ることがあります。

*尿潜血

検査の内容:尿に血が混じっていないかを調べます。正常であれば検査は陰性になります。
検査でわかること

尿中に、赤血球中の赤い色素であるヘモグロビンがあるかどうかを調べています。つまり血尿かどうかを検査しています。
尿潜血が陽性の場合は、腎臓や膀胱、尿管などの尿の通り道で出血していることが考えられます。具体的には、腎臓などが炎症を起こして組織が壊れている場合、結石が関係している場合、尿管や膀胱にできたがんから、出血している場合などが疑われます。
 また、血管の中で赤血球が壊れ、ヘモグロビンが尿にでる病気や筋肉が溶けてしまい尿中にミオグロビンが出る場合でも陽性となります。

*尿糖

検査の内容:尿中の糖分を調べる検査です。正常であれば検査は陰性になります。
検査でわかること

血液中の糖濃度(血糖値)が約160~180mg/dLを超えると再吸収しきれなくなり尿中に糖が漏れ出てきます。

糖尿病などによる高血糖、腎臓病、甲状腺機能亢進症などのホルモン異常、妊娠などでも陽性になります。
健康な人でも食べ物や体調によっては血糖値が上昇して尿糖が出ることもあります。

 

尿の検査で引っかかった方、それはもしかすると腎臓が送っているSOSかもしれません。そのSOSを見逃すと後で腎臓が悪くなってしまってしまう場合もあります。

腎臓は、悪くなってしまったら治らない臓器なので早期発見・早期治療が非常に重要になります。

ぜひ、何かあれば相談ください。

 

(文責:腎臓内科専門医 宮内隆政)

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