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高尿酸血症

高尿酸血症、痛風について

1:はじめに
2:尿酸とはそもそも何か?
3:尿酸が高いと全員治療する必要があるのか?
4:尿酸値が高いとなぜいけないのか?
5:どんな人が痛風になりやすい?対処は?
6:高尿酸血症と痛風にはどんな治療?

 

はじめに

かつて美食家に多く発病し、貴族の病(贅沢病)と言われた痛風も食文化の変化とともにありふれた疾患になりました。有名な話ですが、過去の英雄たちも痛みに苦しんだとされています。アレクサンダー大王、フビライ・ハン、ダヴィンチ、ミケランジェロ、ガリレオ、ナポレオン、ダーウィンなども悩まされました。現代では、健康に対する意識の高まりから健康診断や人間ドックを受ける人が増え、多くの人々が高尿酸血症を指摘されています。
高尿酸血症患者数は徐々に増加し、男性の20%、女性でも5%と報告されている。また、高尿酸血症の患者さんは複数の生活習慣病(高血圧、肥満、耐糖能異常、高脂血症など)を持つことが多いので注意する必要がある。
痛風患者は全国で100万人を超えており、初発年齢は30歳代が多い。

 

尿酸とはそもそも何か?

尿酸は「プリン体」という物質が体内で分解されてできる老廃物の1つです。プリン体は体のエネルギー物質で、常に体内で産生されています。プリン体の2〜3割は食品から摂取し残る7〜8割は体内で作られます。プリン体は主に肝臓で分解され尿酸となります。尿酸は一時的に体内にため込まれた後に、7割が尿で、3割が汗や便で排泄されます。この、血液中の尿酸濃度が高い状態を高尿酸血症といい、高値が持続すると、体内に尿酸結晶が蓄積して痛風と呼ばれる関節炎を起こしたり、高血圧などの生活習慣病を悪化させたりします。

 

尿酸が高いと全員治療する必要があるのか?

尿酸値が高いと言っても、全員が治療を受ける必要があるわけではありません。同じ尿酸値が高い人でも、健康診断などで尿酸値が高いことだけを指摘された人、それ以外にも合併症がある人、痛風を起こしてしまった人といろいろな状況があります。下表のように尿酸値の高さによっても治療方針や目標が異なるので、医師が判断し、患者と相談し治療を開始していきます。

 

尿酸値が高いとなぜいけないのか?

血液の尿酸値が7.0mg/dLを超えたら高尿酸血症と呼んでいます。特に自覚症状がなくても高尿酸結晶は様々な合併症の黄色信号になります。

①高尿酸結晶は痛風発作や腎障害の予備軍

高尿酸結晶の状態が長く続くと尿酸の結晶が体のあちこちに沈着し元激痛で知られる痛風発作を始めとする様々な症状を引き起こします。

・痛風発作

尿酸塩結晶が関節内に沈着して起こる関節炎です。ある時急に腫れて激痛を伴って起こるのが特徴です。足の親指の付け根が良く起こる場所ですが、アキレス腱や膝関節などにも生じます。これは尿酸塩結晶が関節内にある限り再発する恐れがあります。発作は1-2週間で治まると言われています。

・腎障害(痛風腎)

尿酸塩結晶が腎臓に沈着して腎臓の働きが低下します(間質性尿細管腎炎を起こします)。腎機能低下は徐々に進み、末期腎不全に陥ることが多く、現在でも透析導入患者の原疾患の1%弱を占めています。痛風患者で腎機能低下・タンパク尿を認めた時には痛風腎を想起する必要があります。

・尿路結石

尿の酸性化や尿中への尿酸過剰により結石ができやすくなります。結石は必ずしも尿酸結石ではなくて、シュウ酸カルシウム結石の頻度も高いです。起こさないように予防しましょう。

②生活習慣病や慢性腎臓病を合併しやすい

高尿酸結晶は高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や慢性腎臓病を合併しやすいことがわかってきました。高尿酸血症は、これらの疾患と密接に関係し動脈硬化を進行させ心筋梗塞や脳梗塞脳卒中などのリスクを起こすリスクを高めていると言われています。

 

どんな人が痛風になりやすい?対処は?

激しいスポーツを好む

→無酸素運動は尿酸上昇の原因となるので適度な有酸素運動を。

アルコールが好き

→適度に。日本酒なら1合、ビールなら500ml、ウイスキーなら60mlまで

早食い大食い

→なるべくゆっくり食べましょう。

肥満

→体重を落としましょう。

 

高尿酸血症と痛風にはどんな治療?

尿酸値が7.0mg/dlを超えている場合には、まず生活習慣の見直しをします。
上の表でも示したように、下の場合には薬を飲むことが勧められますので、主治医に相談してください。

  • 尿酸値が7.0mg/dlを超えている場合で、痛風発作を起こしたことがある場合
  • 尿酸値が8.0mg/dl以上で合併症のある場合
    ―合併症:腎障害、尿路結石、高血圧、狭心症、糖尿病、メタボリックシンドロームなど
  • 尿酸値が9.0mg/dl以上の場合

生活習慣の改善と気を付けること。

  • 食べすぎ・肥満に注意(摂取エネルギーを抑える。肥満の解消をする。)
    お酒や食事は適度に(プリン体の摂取量を控えましょう。プリン体カットビールでも飲み過ぎは駄目です。)
  • 食事で多くプリン体を含むものは、レバー、干物(マイワシやマアジ)、アン肝、大正エビなどがあります。
  • 尿をアルカリ化して尿酸を排泄する
    -尿をアルカリ化すると尿酸は排泄されやすくなります。ひじき、わかめ、昆布などの海藻類、野菜、キノコ類をよくとるようにしましょう。
  • 水を1日2リットル飲みましょう
    -尿量を多くすることで尿酸排泄を促進します。甘い飲料水は逆に尿酸値をあげるので注意する必要があります。
  • 適度な有酸素運動をする。
  • ストレスを発散させる。

薬物治療

痛風発作の治療
痛風発作が起きたら、激痛を改善させるために炎症を抑える薬を内服します。具体的にはNSAIDsやコルヒチンやステロイドです。
まだ尿酸を下げる薬を飲んでいない人は、尿酸値を下げる薬は疼痛がおさまってから開始します。痛風発作は尿酸値の変動によって起こります。尿酸値が上がった時だけでなく、急に下がっても起きやすいです。発作中は尿酸値の変動を抑える必要があります。
すでに尿酸値を下げる薬を内服している人が発作を起こした場合は、そのまま薬を続けて大丈夫です。

高尿酸血症の治療

尿酸値を下げる薬には2つのタイプがあります

・尿酸生成抑制薬

尿酸が体の中で作られるのを抑える薬です

・尿酸排泄促進薬

尿酸を体の外へ出しやすくする薬です

治療目標は尿酸値6.0mg/dlで、薬を調節しならゆっくりと下げていきます。これは、急激に尿酸値をさげることで、痛風発作が誘発される事があるためです。
薬の選択に関しては主治医と相談して下さい。

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