糖尿病の診断・検査について
1:糖尿病の診断・検査にはどんなものがあるの?
2:問診・身体所見
3:血糖測定検査
糖尿病の診断・検査にはどんなものがあるの?
当院では問診、血糖値検査、尿検査のほか、必要に応じた検査を組み合わせて行い、糖尿病の状態・合併症の有無などについて調べます。
問診・身体所見、血糖測定が主な検査になります。
各項目について述べていきたいと思います。
問診・身体所見
自覚症状の有無、体重歴(特に過去最大体重と20歳時の体重)、既往症(高血圧/脂質異常症など)、喫煙・飲酒・運動などの生活習慣、「ご家族に糖尿病の方はいるか?」など、詳しくお伺いします。
糖尿病になりやすい素質をもっているかどうかを確認します。
- 家族(父、母、兄、弟、姉、妹など)に糖尿病の人はいませんか?
- 家族に肥満の人はいませんか?
どの程度の環境因子がそろっているかを確認します。
- 食生活や仕事の状況、お酒の飲みすぎがないか、ストレス、睡眠不足、運動不足がないか、太ってきたか、過去に太っていたかなどについて質問します。
自覚症状を確認します。下記のような自覚症状がある場合、糖尿病の進行を考えます。
- のどが渇きませんか?
- 最近やせてきていませんか?
- 疲れやすさ、だるさを感じることがありませんか?
- めまいがするほどお腹がすきませんか?
- トイレが近いことはありませんか? など
合併症があるかどうかを調べます
下記のような自覚症状がある場合、大血管障害、神経障害や網膜症、腎症が発症している可能性があります。
- 手や足がしびれませんか?
- 皮膚にさわったとき異常な感じがありませんか?
- 目が見えにくいことはありませんか?
- 顔や手足にむくみはありませんか? など
血糖測定検査
血糖は食事をした後に、ブドウ糖が吸収され上がりますが、健康な人であればすぐにインスリンが分泌されて下がっていきます。
採血をして、血糖値とHbA1c値を測定します。血糖値検査には、3つの方法があります。
血糖値は、血液中に糖がどの程度含まれているかを示すもので、その場ですぐ値が分かる検査キットもありますし、血液検査で調べることできます。
HbA1cは長期間(約2ヶ月)の血糖値の平均を示すものです。
空腹時血糖値
- 検査当日の朝食を抜いた空腹の状態で採血し、血糖値を測る検査です
- 早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上ある場合は、「糖尿病型」と診断されます
随時血糖値
- 食後からの時間を決めないで採血し、血糖値を測る検査です
- 随時血糖値が200mg/dL以上ある場合は、「糖尿病型」と診断されます
ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)……HbA1c値5.6~6.4%の方が対象
- 検査当日の朝まで10時間以上絶食した空腹のまま採血し、血糖値を測ります。
- 次に、ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの、またはデンプン分解産物相当量)を飲み、ブドウ糖負荷後、30分、1時間と2時間後に採血し、血糖値を測る検査です
- 自覚症状などから明らかな高血糖が推測される場合には、75gOGTTは糖尿病の診断に必要ではなく、まず空腹時血糖または随時血糖を測定するべきです
- 著しい高血糖状態で75gOGTTを行うと、さらなる高血糖を引き起こしてしまいます。
当院でも糖尿病の各種検査を行っております。ぜひ、ご相談ください。
文責:総合内科専門医 宮内