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禁煙について

1:はじめに~禁煙の意義~
2:禁煙治療をはじめましょう
3:禁煙の効果
4:禁煙治療の保険適応
5:禁煙治療のスケジュール
6:チャンピックスの効果
7:チャンピックスの服用方法について
8:Q&A

 

喫煙が新型コロナ重症化のリスクとなることから、禁煙を意識し始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。喫煙は新型コロナウイルス感染症以外にも、心臓・肺・がんなどの疾患になる危険性を大いに高めると言われており、結果的に日本では年間12〜13万人の死亡に関連する危険因子とされており、禁煙治療の重要性は高まっています。

しかし、現状では禁煙補助薬のチャンピックスの出荷停止があり、外来が滞っている状況です。当院でも例外ではないです。今後2022年の夏~秋以降に出荷調整ができるとのことで、その時期からの治療の開始を考えております。

また、この度当院では新たに禁煙治療アプリ「CureApp SC」による治療法を導入しますので、こちらに関しては別のページでご紹介いたします!

 

喫煙習慣は「ニコチン依存症」という病気ですので一人ではなかなか禁煙を達成できません。当院では禁煙治療を実施しておりますのでご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
※2021年12月現在、チャンピックスの納入ができていなく禁煙治療をできておりません

 

禁煙開始から

禁煙による効果

20分後

血圧が、最後のたばこを吸う前に近いレベルに戻る。
手足の温度が正常に戻る。(血管の収縮が緩むため)

8時間後

血中の一酸化炭素レベルが正常に戻る。

24時間後

"心臓発作"のリスクが減る。

3か月以内

循環器系が改善し、肺機能が30%程度増加する。

1~9ヶ月以内

咳、鼻閉、疲労、息切れが減少する。
絨毛(小さな毛のようなもので肺の外へと粘液を動といあわせさきかす)が、正常機能を回復し、粘液を動かし、肺をきれいにし、感染を防止する能力が増加する。

1年後

冠状動脈(心臓)疾患の過剰リスクが、喫煙者の半分になる。

5年後

脳卒中のリスクが、非喫煙者のレベルまで下がる。

10年後

肺がんの死亡率が、吸い続ける方の約半分になる。
口腔、喉頭、食道、膀胱、腎臓、膵臓がんのリスクが減る。

15年後

冠状動脈疾患のリスクが非喫煙者のレベルまで下がる。

 

保険適応で禁煙治療を行うためには、以下の条件を全て満たしている必要があります。

  1. ただちに禁煙を考えている
  2. スクリーニングテスト(TDS)で5点以上(*1
  3. 35歳以上ではブリンクマン指数が200以上(*2
  4. 禁煙治療を受けることを文書により同意している

なお、上記を満たしていない方でも保険適応外で(自費診療で)対応することも可能です。

*1 スクリーニングテスト

*2ブリンクマン指数(BI)について

 

禁煙治療を開始すると 12 週で計 5 回の受診が必要です。診察方法は対面診療とオンライン診療のいずれかを選ぶことが出来ます。オンライン診療を選択された場合、初診と5回目(12 週目)以外は、オンラインで医師からの診察を受けることが可能です。あなたのライフスタイルに合わせた診察方法をお選びください。

(1) 初診
禁煙治療の条件確認、問診、禁煙指導、呼気CO濃度測定
禁煙治療への同意・禁煙宣言、処方

(2)再診①(2回目):2 週間後(オンライン診療可)
禁煙指導、呼気CO濃度測定、処方

(3)再診②(3回目):2 週間後(オンライン診療可)
禁煙指導、呼気CO濃度測定、処方

(4)再診③(4回目):4 週間後(オンライン診療可)
禁煙指導、呼気CO濃度測定、処方

(5)再診④(5回目):4 週間後
禁煙指導、呼気CO濃度測定

※禁煙治療で大切なことは医師に相談なく中断しないことです。自己判断によって途中で受診を中断すると再喫煙率が上がってしまいます。

費用は12週間の禁煙治療で3割負担にて約2万円です。

 

①チャンピックスは、ニコチン受容体に結合してニコチンの作用で放出されるよりも少量のドパミンを放出させ、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減します。

②また、チャンピックスはニコチンが受容体に結合するのを阻害し、喫煙により得られる満足感を抑制します。これによりタバコを吸ってもおいしいと感じなくなります。

 

禁煙の開始日の1週間前からチャンピックスを少量から服用開始します。

8日目に禁煙を開始し、1mg錠を1日2回朝夕食後で服用します。

 

Q1:禁煙治療の途中で喫煙してしまいました。どうしたらいいですか? 治療中に再喫煙したからといって禁煙をあきらめることなく、禁煙治療を継続してください。チャンピックスを継続しながら再び禁煙を試みてください。チャンピックスは喫煙により得られる満足感を抑制する作用を持つため、再喫煙した際に「タバコがおいしい」と感じることは次第に少なくなり、再び禁煙しやすくなるものと考えられます。
Q2:12週の投与期間中に禁煙に成功した場合、チャンピックスの服用や通院を中止してもいいですか? チャンピックスの投与期間は12週間です。長期的な禁煙効果を高めるために12週間の服用を完了した方が効果は高く、禁煙外来に長く通うことができた人ほど長期的な禁煙率が高まることが示されています。禁煙できたからといって治療期間の途中で通院をやめてしまうと、その後再喫煙してしまう可能性が高くなると考えられます。
Q3:チャンピックスの副作用にはどのようなものがありますか? 最も多くみられた副作用は吐き気です。約1割強の方に認められましたが、程度は軽く、吐き気のために投与中止を余儀なくされたのはごく僅かでした。いずれも処置を要することなく回復しております。
Q4:以前に禁煙外来を受診したのですが、途中で挫折、失敗してしまいました。今度はチャンピックスでリベンジできますか? 原則1年間、健康保険を使用して禁煙外来を受診することはできません。ただし、前回の禁煙外来初診日より1年以上経過していれば受診可能です。
Q5:一度禁煙には成功したのですが、途中でまた吸い出してしまいました。チャンピックスによる禁煙外来を受診することは可能ですか? 上記のQ5.とまったく同様です。前回の禁煙外来初診日より1年以上経過していれば受診可能です。
Q6:初めの1週目はタバコを吸ってもかまわないということですが、どのような意味があるのでしょうか? チャンピックスには脳の神経細胞にあるニコチン受容体に結合することで、タバコを吸った際にタバコに含まれるニコチンが受容体に結合するのを妨げる作用があります。普段はタバコを吸うことで神経細胞からドパミンが放出され、これが依存症(満足感と切望感)に繋がるのですが、まず1週目はタバコを吸っても「おいしくない」ということを脳に感じさせる期間と考えていただきたいと思います。これにより、2週目からスムーズに禁煙に移行することが可能となります。 もちろん、1週目からすぐに禁煙されてもなんら問題はありません。
Q7:ニコチンパッチとチャンピックスではどちらのほうが禁煙の成功率は高いのでしょうか? 直接の比較試験では、チャンピックスを使用した方が禁煙成功率は13%ほど高いと報告されています。当院ではチャンピックスを用いた禁煙治療を提案しています。
Q8:禁煙外来全12週のコースは終了し、禁煙にも成功したのですが、チャンピックスなしではどうも不安です。継続は可能でしょうか? 健康保険を用いてチャンピックスを処方することはできませんが、自由診療(自費負担)でなら継続可能です。 1日の薬の値段は、1日1mg錠2回の服用で475円になります。0.5mg錠2回の服用では265円で済みます。

 

禁煙は重要です!

自身・家族のためにもぜひ禁煙を成功させましょう。

 

リンク

 

文責:禁煙サポーター医 宮内

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