若い時からコレステロールが高い時・・
健康診断でコレステロールが引っかかってしまうことはよくあるのかなと思います。
そんな時、
・若い時からコレステロールが高いと言われている。
・家族の中で心筋梗塞などで早くに亡くなった人がいる
・コレステロールの薬飲んでても、全然高いまま
という方はいないでしょうか?
そんな時、家族性高コレステロール血症 (FH : Familial hypercholesterolemia)を考えなくてはなりません。
・家族性高コレステロール血症って?
遺伝的にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高くなってしまうものです。
LDLコレステロールが肝臓や細胞に取り込まれるためのLDL受容体やその関連のタンパクの異常や欠損が遺伝的にあり、取り込みができず血中にLDLコレステロールが増加してしまいます。
遺伝子の両方に異常がある場合を「ホモ接合体」と呼び、いずれか一方に異常がる場合には「ヘテロ接合体」と呼びます。
ホモ接合体は非常に稀ではありますが、新生児期より高コレステロール血症が見られ、若年時の心筋梗塞などのリスクが非常に高くなります。
ヘテロ接合体は200-500人に1人の割合と意外に多いです。
・なぜ家族性高コレステロール血症の人は治療が必要?
冠動脈疾患リスクが高くなるためです。
冠動脈疾患は年齢が高くなるほど起こりやすくなります。
加齢、喫煙、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、高中性脂肪血症、低HDL-コレステロール血症、メタボリックシンドロームなどがあると、リスクはより高くなります。
・治療について(脂質異常症の項参照)
生活習慣の改善はまずは重要になります!
薬物療法(主にスタチン系の薬剤)が必要になります。1種類の薬剤でコントロールできなくても、薬の量を増やしたり、2種類以上の薬剤を服用したりすれば、十分な効果が得られる場合も多いです。
スタチンだけで十分な効果が得られない場合、コレステロール吸収阻害剤であるゼチーア(エゼチミブ)、胆汁酸吸着レジンであるクエストラン(コレスチラミン)やコレバイン(コレスチミド)などを併用します。
これらの薬剤を併用しても、LDLコレステロールのコントロールが十分でない患者さんに対しては、PCSK9阻害薬であるレパーサ(エボロクマブ)やプラルエント(アリロクマブ)という注射剤を使用することもあります。
健康診断で、脂質異常が引っかかる場合も多いかと思います。一度、ぜひ相談してください!