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若い時からコレステロールが高い時・・

[2023.01.18]
健康診断でコレステロールが引っかかってしまうことはよくあるのかなと思います。

そんな時、

・若い時からコレステロールが高いと言われている。
・家族の中で心筋梗塞などで早くに亡くなった人がいる
・コレステロールの薬飲んでても、全然高いまま

という方はいないでしょうか?

 

そんな時、家族性高コレステロール血症 (FH : Familial hypercholesterolemia)を考えなくてはなりません。

・家族性高コレステロール血症って?

遺伝的にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高くなってしまうものです。

LDLコレステロールが肝臓や細胞に取り込まれるためのLDL受容体やその関連のタンパクの異常や欠損が遺伝的にあり、取り込みができず血中にLDLコレステロールが増加してしまいます。

家族性高コレステロール血症とは 黄色腫などの症状が出る | メディカルノート

 

遺伝子の両方に異常がある場合を「ホモ接合体」と呼び、いずれか一方に異常がる場合には「ヘテロ接合体」と呼びます。

 

ホモ接合体は非常に稀ではありますが、新生児期より高コレステロール血症が見られ、若年時の心筋梗塞などのリスクが非常に高くなります。

ヘテロ接合体は200-500人に1人の割合と意外に多いです。

家族性高コレステロール血症 (Familial Hypercholesterolemia:  FH)について|ゲノム医療支援部|ゲノム医療部門|診療科・部門のご案内|国立循環器病研究センター 病院

 

・なぜ家族性高コレステロール血症の人は治療が必要?

冠動脈疾患リスクが高くなるためです。

冠動脈疾患は年齢が高くなるほど起こりやすくなります。

加齢、喫煙、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、高中性脂肪血症、低HDL-コレステロール血症、メタボリックシンドロームなどがあると、リスクはより高くなります。

FHヘテロ接合体患者の死因

      家族性高コレステロール血症患者の死因

 

・治療について(脂質異常症の項参照)

生活習慣の改善はまずは重要になります!

薬物療法(主にスタチン系の薬剤)が必要になります。1種類の薬剤でコントロールできなくても、薬の量を増やしたり、2種類以上の薬剤を服用したりすれば、十分な効果が得られる場合も多いです。

スタチンだけで十分な効果が得られない場合、コレステロール吸収阻害剤であるゼチーア(エゼチミブ)、胆汁酸吸着レジンであるクエストラン(コレスチラミン)やコレバイン(コレスチミド)などを併用します。

これらの薬剤を併用しても、LDLコレステロールのコントロールが十分でない患者さんに対しては、PCSK9阻害薬であるレパーサ(エボロクマブ)やプラルエント(アリロクマブ)という注射剤を使用することもあります。

家族性高コレステロール血症 (Familial Hypercholesterolemia:  FH)について|ゲノム医療支援部|ゲノム医療部門|診療科・部門のご案内|国立循環器病研究センター 病院

 

健康診断で、脂質異常が引っかかる場合も多いかと思います。一度、ぜひ相談してください!

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