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15価肺炎球菌ワクチン バクニュバンス

[2023.05.05]

2023年4月に肺炎球菌15価ワクチン「バクニュバンス」が発売されました。

肺炎球菌ワクチンは3種類になりました。肺炎球菌ワクチンは重要なワクチンなので、少し触れたいと思います。


また、バクニュバンスと他の肺炎球菌ワクチンとの違い、お勧めの接種方法について解説します。

 

肺炎球菌感染症とは?

まず、これは肺炎球菌という細菌が原因でおこる感染症です。主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。この菌は、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。

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肺炎球菌感染で重症化リスク高い人は?


肺炎球菌感染症は、特に下記のリスクが高い人は重症化しやすいとされています。

・高齢者

・幼児

・免疫力が低下している人(糖尿病、悪性腫瘍、免疫抑制剤、ステロイド治療中など)

・慢性疾患をもっている(慢性心疾患、慢性肺疾患、慢性腎臓病など)

・喫煙者

手術などで脾臓を摘出した患者さんもリスクが高いとされています。

重症化すると、呼吸困難や高熱、全身のだるさなどの症状が現れ、場合によっては命にかかわることもあります。

 

肺炎球菌は抗生剤治療もありますが、重要なのは予防です。

肺炎球菌ワクチンを打つと、肺炎球菌感染症になりにくくなるほか、肺炎球菌感染症になったとしても重症になりにくくなります。

日本感染症学会ガイドライン肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方

 
15価肺炎球菌ワクチンとは


肺炎球菌には90種類以上の血清型があります。

・定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌多糖体ワクチン)PPSV23」は、23種類の血清型に効果があります。

23種類の血清型は成人の重症の肺炎球菌感染症の原因の64%を占めるといわれている報告があります。


プレベナー13はニューモバックスNPと共通する12種類に加えて1種類(6A)に対する免疫を誘導するワクチンです。

安全性はニューモバックスNPとほぼ同等で免疫を作る作用は同等もしくは優れていると考えられます。

プレベナー13は、小児から高齢者まで幅広い年齢層に接種でき、ニューモバックスと併用することで、強い肺炎予防の効果を期待できます。

肺炎球菌ワクチン ニューモバックスNP・プレベナー13|東京 トラベルクリニック


バクニュバンスはプレベナー13の 13 血清型については変わらず、22F、33Fの2血清型に対して優位な効果があり、血清型3についてもプレベナー13より優位な効果があることがわかりました。

なので、現状は

「絶対に肺炎にかかりたくない!」という方は、ニューモバックスNPと併用しながら接種することが一つかと思います。

カバーの違い:米国ではPCV20もあります。

Antibiotics | Free Full-Text | Vaccination against Community-Acquired  Pneumonia in Spanish Adults: Practical Recommendations by the NeumoExperts  Prevention Group

米国における肺炎球菌ワクチンの接種について

米国 CDC は 65 歳以上の全ての成人、肺炎球菌ワクチンを未接種あるいは接種歴が不明で 19〜64 歳の慢性疾病のある成人に対して バクニュバンスとニューモバックスの連続接種を推奨しています。

米国CDCスケジュール

 

ニューモバックスNPとバクニュバンスを併用して接種するなら、日本感染症学会によると

・ニューモバックス未接種の方:バクニュバンスを接種し1~4年後にニューモバックスを接種する
・ニューモバックス接種済みの方:1年以上間をおいてバクニュバンスの接種を考慮。5年後に再度ニューモバックスを接種する
ことがお勧めとされています。

65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版 2023年3月24日)|ガイドライン・提言|日本感染症学会

 

肺炎球菌ワクチンは接種した方がいいの?


 肺炎球菌は特に高齢者では侵襲性肺炎球菌感染症という致死的な病態を引き起こす可能性があります。インフルエンザと同様、新型コロナウイルスの流行下では感染者数が減少していましたが、今後は増加する可能性が高いです。

肺炎球菌ワクチン | 金沢西みなとクリニック

今回発売されたワクチンは65歳からのニューモバックスNPの定期接種のワクチンに先行して接種することでより強い免疫を誘導しリスクを減らすことができるワクチンです。

特に基礎疾患(がん、心臓・腎臓・肺などの)がある方はぜひ接種をご検討ください。

当院で10000円(税込)で接種可能です。

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