慢性腎不全の患者の診療
慢性腎不全の患者さんを診療する機会は専門がら多くあります。その中で、やはり患者さんの腎臓の機能を維持したいというのを常日頃思っています。
一般的な管理もしつつ、蛋白尿がある慢性腎不全患者さんには、以下のことを留意しています。
・血圧管理
-ACE-IやARBを用いつつ、他の降圧薬を用いて目標血圧に管理します。
・SGLTT2阻害薬
-糖尿病の薬であるSGLT2阻害薬ですが、糖尿病の有無によらず蛋白尿のある慢性腎不全患者さんに腎保護効果があることが示されています。(腎臓学会提言参照)
糖尿病の有無に関係なく慢性腎不全に対して、最初にフォシーガ(ダパグリフロジン)が承認され、現状はジャディアンス(エンパグリフロジン)も申請しています。糖尿病のある腎不全にはカナグル(カナグリフロジン)が承認されています。
・タンパク摂取制限
-当院でももう少し栄養士さんとかがいて、その部分をゆっくりお話しできればいいなと思っています。タンパク制限はリスクもあります。特に高齢の方だとフレイルなど筋肉が落ちてしまうことも多いです。患者さん個々に合わせての治療が必要なのかなと思っています。(タンパク制限の必要性参照)
・禁煙
-禁煙による腎機能悪化予防の効果は論文でも示されています(禁煙の重要性 参照)。
・アシドーシスの管理
-腎不全になると体が酸性(アシデミア)に傾きます。その管理は腎機能悪化予防に重要になります。
患者さんと外来でお会いして、腎機能が悪化している時に自分がいつも何か伝え足りないのではないか?、もう少し腎不全を管理していきたいなと常に思ってしまいます。
少しでも腎機能の進行が遅らせることができるように、全力で頑張りたいと思います。
文責:腎臓内科専門医 宮内