片頭痛と鉄欠乏性貧血って関係あるの?
片頭痛について
片頭痛(偏頭痛)とは拍動性頭痛とも言われ、ズキンズキンと痛むタイプの頭痛で、多くは頭の片側に起こります(両側に起こる場合もあります)。
日本での年間有病率は8.4%で、若年~40代の女性では18%程度の有病率と5人に1人程度は片頭痛を持っています。
肉親に同じような頭痛を持つ人が多いため、遺伝的な要素があると考えられています。
症状:
突然症状が起こり、気持ち悪さや吐いたりなど他の症状も随伴するとてもつらい頭痛です。
光や音の刺激で悪化したり、匂いに敏感になったりします。
鉄欠乏性貧血について
鉄欠乏性貧血は「赤血球(ヘモグロビン)の材料である鉄が不足して生じる貧血」で、貧血の中で最も多い疾患です。
ヘモグロビンとは血液中の赤血球が酸素を運搬するのに必要なタンパク質です。正確には鉄を含む「ヘム」とタンパク質の「グロビン」の複合体です。鉄分がなければヘモグロビンを作ることができません。
鉄欠乏性貧血と片頭痛の関連
鉄欠乏性貧血と片頭痛の関連性に関しては、2021年の米国の研究でも示されています。
鉄は、ドーパミンの代謝に重要な働きをしています。
また、ドーパミンは体内の重要な神経伝達物質として働き、片頭痛ではドーパミンの血中濃度が低下することが報告されています。
このドーパミンの関連で鉄欠乏性貧血ではむずむず脚症候群(restless leg syndrome)も関連していると言われています。
下の表は鉄低下とともに悪化することを示しています。(Front Neut 2021)
女性に片頭痛も鉄欠乏性貧血も非常に多いです。
なので、一度片頭痛で悩まれている方は、鉄欠乏性貧血の有無を検査するのは重要かもしれません。
当院で、貧血の検査も行っております。また、片頭痛の患者さんも見ておりますので、ぜひご相談ください。