糖尿病性腎不全に対する薬〜フィネレノン〜
糖尿病に罹患していることで、さまざまな合併症をきたします。
以前の記事を参照してください。
その中で、腎機能障害がある患者さんでは心血管合併症リスクが高くなることがわかっています(AHA2021)。
フィネレノンの効果がここ最近報告が多いです。
2021年に世界的な雑誌にフィネレノンの効果が示されました(NEJM 2021)。
フィネレノンは非選択性のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬です。
この研究から示されたことは糖尿病による腎機能障害患者に対して(どのCKD stageやアルブミン尿に対して)、フィネレノン投与によって、心血管系の複合評価項目(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院)が減少したことが示された。
腎臓に対しての有効なアウトカムは、この時には示されませんでした。副作用としては、高カリウム血症に注意ということがあげられていました。
2022年に入って、フィネレノンの腎機能への保護効果も示されています(EHJ2022)。
この研究でフィネレノンは、心血管系の複合評価項目(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院)の初回発現までのリスクが低下しました。
腎臓の複合評価項目(腎不全の発症、4 週間以上持続するベースライン時点から57%以上の持続的なeGFR低下、腎臓死)の初回発現までのリスクが低下しました。
今後、当院でもフィネレノンを使用する機会も増えていくと思います。
まずは、しっかりと早期に腎機能障害に気付いてあげることが一番大切です!
なるべく、糖尿病で腎臓が悪くなる人が少なくなるようにしていきましょう!
文責:宮内