メニュー

妊娠中、授乳中のワクチン接種について

[2021.08.30]

今回、私も所属させていただいているVPDを知って子どもを守ろうの団体から妊娠・授乳中のコロナワクチン接種に関する提言が出ておりましたので、共有をさせて下さい。

ワクチン接種の外来で、患者さんにお話ししている内容と同様にはなりますが、お母さんが打つことで子どもを守ることにもつながりますので、ぜひ接種をお願いします。

以下情報の転記をします。

赤ちゃんを新型コロナウイルスから守るために ~妊娠・授乳期のコロナワクチン接種について~

8月20日、厚生労働省は全国の自治体に妊娠中の女性にワクチン接種を優先するよう通知しました。ワクチン接種によって妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はなく、ワクチン接種が推奨されています。
しかし実際には、ワクチンと妊娠・授乳に関する根拠のない情報が広まり、接種に不安や疑問を感じる人がいます。妊娠・授乳期のワクチン接種をどうしたらよいか、科学的な根拠に基づいて整理します。

妊娠中、授乳中の女性は、赤ちゃんのために早めのワクチン接種を!


妊娠中や授乳中の女性の場合でも、新型コロナウイルス感染症の予防にはワクチン接種が効果的です。副反応の頻度も、妊娠していない人と同等です¹⁾。赤ちゃんを守るためには、ママが新型コロナウイルス感染症にかからないことが最も重要。加えてママにうつさないために、パパやまわりの人もワクチンを受けましょう。

「ワクチン接種が赤ちゃんに悪影響を及ぼす」はニセ情報です


SNSの「ワクチンの成分が胎盤を通過しておなかの赤ちゃんに影響する」という情報には、根拠がありません。ワクチン接種では、ママが獲得した『抗体』が胎盤を通して赤ちゃんに届きます¹⁾が、ワクチンの成分は届きません。また「mRNAワクチンは赤ちゃんの遺伝子に影響する」もニセ情報。ワクチンを接種した妊婦さんの流産、早産、胎児の発育不全、先天性奇形、新生児死亡の発生率は、未接種の場合と差はありません²⁾。

妊娠中の感染は、母親と赤ちゃんの合併症や死亡リスクを高めます


妊娠中の新型コロナウイルス感染症は、妊娠関連の合併症や妊婦の死亡、新生児の合併症や早産などのリスクを高めます³⁾。新型コロナウイルス感染症による肺炎は低酸素血症となり、おなかの赤ちゃんも低酸素状態となります。妊娠中の感染を予防してママと赤ちゃんを守るために、できるだけ早くワクチンを受けましょう。

授乳中の女性は、ワクチン接種後も母乳をやめる必要はありません!


「ワクチン接種後に母乳を飲ませた赤ちゃんに異変」というSNSの書き込みは、正しくありません。なぜなら、ワクチン接種後の母乳にワクチン成分は含まれない⁴⁾からです。ワクチン接種後の母乳に含まれているのは、IgA(鼻や目などの粘膜からウイルスの侵入を防ぐ抗体)とIgG(血液中でウイルスと結合し無毒化する抗体)⁵⁾。ワクチン接種後に母乳をあげることは、赤ちゃんに抗体を与えるというメリットもあるのです。ワクチン接種後も安心して母乳を続けてください。

 

これまでに、世界中の妊娠中や授乳中の女性がワクチンを接種し、安全性と効果が確認されています。赤ちゃんを守るためにできることは、ワクチン接種でママが感染しないこと。ママの抗体を赤ちゃんに届けることもできます。授乳中のママは、ワクチン接種後も母乳をやめる必要はありません。

 

1) Am J Obstet Gynecol. 2021 Mar 26;S0002-9378(21)00187-3. doi: 10.1016/j.ajog.2021.03.023. Online ahead of print.
2) N Engl J Med 2021; 384:2273-2282. doi: 10.1056/NEJMoa2104983
3) JAMA Pediatr. 2021;175(8):817-826. doi:10.1001/jamapediatrics.2021.1050
4) JAMA Pediatr. Published online July 6, 2021. doi:10.1001/jamapediatrics.2021.1929
5) JAMA. 2021;325(19):2013-2014. doi:10.1001/jama.2021.5782

 

また、妊娠中のワクチン接種についても、日本産婦人科学会、日本産科医会、日本産婦人科感染症学会の連名で

「妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします。」

となっています。

 

ぜひ、ワクチン接種がまだの方は相談ください。

 

文責:総合内科専門医 宮内

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME